月イチ☆古典芸能「香りと日本人」@芸術センター、香老舗 松栄堂


[第一部]講演
[第二部]香房見学
香老舗 松栄堂の主人の畑正高氏を講師に招き、香木の香りを楽しみながら、さまざまな古典芸能のなかに見えかくれする香りに注目します。その後、昔ながらの製法によって線香を製造する香房を見学します。

香りは、白檀と沈香を中心に作られる。白檀、Sandal Woodは、白檀という木のこと。沈香、Aloes Woodは、木の種類でなくて、例えば鳥のくちばしで傷ついた部分に樹液が集まったもの。樹液で重くなり、水に沈むことから沈水香木、略して沈香と呼ばれる。沈香の中でも特に香りがよいものが、伽羅。ちなみに、伽羅はシラミ除けにもなるので、きゃらくせえ!という、人を避難する言葉になったとか。伽羅はいい香りなのにね。

香りとは、あまねく広がるもの。空だきにより、空間に満ちる。

米と茶と香、これらはすべて渡来のもの。米と茶は日常としてなじんだので、日常茶飯事。香は、非日常へ。また、仏教では、香と華と明かり、この3つで荘厳をかもす。

お線香は、天然の香料、(たぶ)という木、それぞれを細かく砕いたものから作られる。香料は、香木の他に、シナモン、ウコン、クローブ八角、竜脳などのスパイスも使うそう。それらをまず、その日に作る分だけ、金属のすり機で混合する。この行程が一番大事。次に、ところてんみたいに押し出し、長さをそろえてカット。ゆっくり乾燥させて、出来上がり。紙の帯で巻き、箱に入れて、商品となる。

社長さんが楽しそうに話はる感じが良かったな。松栄堂の皆さんも、香りがとても好きなんだって。そう、香りは、まえから知っているような、体になじむような、でも少し不思議な感覚になる。