聞香会

豆炭をおこす。聞香炉(小さな火鉢)の灰の中に、豆炭を埋める。灰を山のように盛り上げ、筋をつける。山の頂上から埋もれた豆炭まで、穴を通す。その上に銀葉(今は銀ではなく雲母)という小さな四角い板を乗せる。その上に香木の小片を乗せる。このように工夫することで、炭の熱がじわりと香木に届く。

聞香炉をまわし、皆で嗅いでみる。聞香炉を左手で支え、右手で覆いを作る。右手を伝って香りが立ち上るので、鼻を近づける。香木から樹脂がわきあがり、香りとなる。

まずは、六国五味。甘い(羅国)、辛い(さそら)、無味(いろんな香りがあるという意味、まなか)、塩辛い(まなばん)、酸っぱい(すもたら)、苦い(作るのに苦心したという意味、伽羅)。それぞれを楽しみ、違いを比べるのがおもしろかった。

次に、組香。今回は、「おもと」という言葉を使い、3種の香りを用いる。一度目は、「お」の香り、「も」の香り、「と」の香りというように、順に嗅ぐ。二度目は、順番が変えられている。それを嗅ぎ分けて、出てきた順番に「お」「も」「と」の三文字を並べ替える。小記録という紙に答えを記し、香元に渡す。香元は答えを見比べ、記録紙に記し、最高得点の方に記録紙を渡す。あれ、わからなくなってきた・・・という感じがおもしろかった。


刻々と香りが変わっていく。心象がわきあがったり、言葉で置き換えてみたり、ただ気持ちよいことに心をゆだねてみたり。香りに心をむけ、今の感覚に集中する時間、それが楽しい。