益子のStarnet


おとずれてみて、心地いいなと感じる。キッシュや生姜茶を口にした時、体が喜んでる感覚がある。ありの巣のように部屋がつづくお店を歩いて、楽しいつくりに笑みが浮かぶ。苺をくださいとスタッフに声をかけたら、「これか、これ、、、あと、これもいいですね」と真剣に選んでくれた。

気持ちいいなと思って、お店をあとにした。

次の日、お店で買った本「自分の仕事をつくる」(西村佳哲・著)で、オーナーの馬場浩史さんの働き方について読んでみた。自分の感覚をクリアにして、意識を集めて、自分の感性の底から突き出して、人々の普遍性に届く。強いあり方。それだけの力が集まって、あの「気持ちいい」が感じられたんだ。

ネイティブ・インディアンが成人になるときの儀式で、山の中で「自分の居心地の良い場所を、自分で見つけ、そこで一晩過ごす」というものがあるそう。Vision Quest. 自分が心地よいところをちゃんと感じる、その大切さをよくわかっている人たち。シンデレラのネイティブ・インディアン版もとても好き。ネイティブ・インディアンは、ちゃんと「感じる」ことを大事にしている人たちやな。

そして、本からの引用。

「鳥の巣を見たり、あるいは縄文土器に接しているとね、目を中心にしていないモノのつくられ方をすごく感じるんです。」
「雑木山を歩くようなことも、とても大事なんじゃないか。今の僕にとっては、すごくそうです。風がブワーッと吹いて来ると、鳥がバーッと来てね。何か大きなモノが連鎖的に動いているのがわかる。不思議な感覚なんですが、全体が繋がっているのが実感できる。」
「都市のなかで情報に埋もれていると、感覚を常に閉じて鈍感な状態にしていないと、やっていけなくなってしまうでしょう。」
「少しでも多くのモノをつくって売ろうとなると、いちばん安易なところにチューニングしていくしかないじゃないですか。しかしそれは、確実に目的を見失いますよね。」
「自分の身体により近い足下の場所で、いろんなものを積み上げていくことが大事なんだと思う。いまの社会は全員が余所のもので余所のことをやていて、その結果誰も幸せになっていない感じがするんだな。」

高木正勝や、よしもとばなな、きらくかん、他にもいろいろ、自分の気持ちいい感覚を広げよう伝えようとしている人の作品に、こんなにも惹かれる。

私の今とこれから、惹かれるものたち。考え方、力、毎日。少しでも近づきたい。近づきたい。