emotional drawing @京都国立近代美術館

奈良美智さんのインスタレーションを見に行ってきました。初めて原画を見ました。目が、目がいいです。くるくるとまるまって、うるんでいるような、怒りを帯びているような、かわいらしいような、深遠さにきゅっと身がすくむような、目。emotional drawingだから、線に強い作為は感じられなくて、ストレートに来る。描きたかった悲しみ、楽しみ、怒り。インスタレーションは家。空色の小屋の中に、好きな絵や人形やテレビやCDを山もりにして、机に向かって絵を描く。好きがいっぱいつまってる。

レイコイケムラさん。水彩画なのかな、淡い色彩と水でふやけたラインから、顔の表情が浮かび上がる。並べて、いくつも。涙を誘う。

鳥の絵で、広い空間を描いていたのは、Aditi SINGH。空間を描く。鳥のどの部分を描くか、キャンバスのどこに描くか、キャンバスをどこに置くか。インスタレーションだと思う。広かった。

動画も数点見られた。動く絵というよりも、絵をつなぎ合わせている感じが残る。国立国際美術館を見たときにも思ったけれど、一枚の絵と一枚の絵の間をつないでいる。線を描く、ものが動く。止まっているものを動かすのは、大変なんだな。動きに絵をつけている方が、私は楽しいと思う、高木正勝さんの映像みたいに。

皆さん気ままに描いているようでいて、構成や色づかいや線、とても良かった。

あとで奈良美智さんの画集を見ていたら、嶺川貴子さんの文章が載ってた。奈良美智さんは音楽の好きな人みたい。StereoLabの話でもりあがったよ、って。