Paul Klee おわらないアトリエ @京都国立近代美術館

感覚が形と色になって表れる。つくられるプロセスを追った展示。

油彩転写、というクレーがつくりだしたプロセスの説明がある。素描を描く。転写用の紙に黒の油絵の具を一面に塗って、ちょっと乾かす。その黒紙を、絵を描くための紙の上に裏返し、素描を上にのせて、針でなぞる。絵の具であり、版画のような素描のような質感をもつ、不思議な線が描かれる。
道具も大事。道具にとらわれるのでなく、道具としてつかわれる道具たち。高木正勝MACみたいに。

写して塗って写して、油彩転写。切って回して貼って、再構成。切って分けて貼って、分離。おもてとうらの両面作品。プロセスごとに展示される作品たち。
「カイルアンの眺め」揺れ動く水彩絵の具が、淡い色彩のグラデーションとコントラストをつくり、その境のとろけ具合に誘われる。
「調整された豊穣」細やかな色の四角を、少しずつあけて紙にのせ、点描や切り絵のような質感。

そして最後に、特別クラスと呼ばれる作品たち。クレーが手元に残した作品。
「老人」コントラストの大きな色調。くっきりと配置された、クレーの真ん中にある絵。