gear

場面が変わる。
光が広がり、景色に降りかかる。
可愛らしい音が聴こえる。

そうして舞台が変わっていく。
楽しんで、慌てて、困って、怒られ、みんなで笑う。
シーンが流れる。
理由のあるつながりじゃないのに、なんの不思議もない。
そうやって、続いていくんだな。

光が降りそそぐ。
光の粒が集まっていく。
光で絵を描くように、その場に光が染み込み留まるように、つながっていく。
お人形さんの服が、色で染められていく。
何度も、一瞬で、いろんな色に。
色が混ざって、形が変わる。

人が動く時に、音が聴こえる。
ロボットの稼働音、機械の重そうな音。

舞台は、閉鎖した昔のおもちゃ工場。
おもちゃ作りのロボットたちは、今もおもちゃを作り続ける。
見つけたお人形。
ぱっと大きなお人形さんになる。
そこで、舞台に命が現れる。

物の動きをずっと見てた。
ジャグリング、マイム、マジック、ダンス、お人形さんのワンピース。
ふつうならこう動くのに、いつもと違う動きを描く。
ゆっくり、なめらかに、不思議な曲線を描いて。
止まるはずのない所で止まり、すべるのが目に見えるよう。

風が吹く。
紙が舞い散る。
おもちゃの箱に入るはずの、小さな紙。
完成図、内容物一覧、取扱説明書。
いつまでもいつまでも、止まることがないように、どんどん飛んでくる。
紙が舞台に積もる。
最後のアンコールで、みんながまた踊る。